今回は、全国統一小学生テスト(全統小)の概要と中学受験における位置づけ、塾なしでできる対策をご紹介します。
正確に言うと後半は主催する塾の力を借りますが、基本的に通塾していないお子さん向けの情報となります。
そもそも、全国統一小学生テストがどんなテストなのか、中学受験には必要かなど、初心者向けの情報となっていますので、初めて全国統一小学生テストを受ける方は参考にしてみてください。
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全国統一小学生テスト(全統小)とは
全国統一小学生テストは、株式会社ナガセの傘下・四谷大塚が主催する全国規模の学力診断テストです。
15万人超(2021年6月の受験者数)の受験者のなかから成績上位50位が招待される決勝大会は、まさに知の祭典。
遠方の招待者は宿泊費も無料、決勝大会上位30名は特製iPadがもらえるというスペシャルイベントになっています。
コロナ前のアメリカ有名大学視察ツアーが2023年から4年ぶりに復活しています。
- 2023年5月現在、17年目
- 毎年6・11月の年2回実施
- 年長~2年生は記述式、3年生~6年生はマークシート形式
- 受験料・対策授業・成績表・解説動画・父母会・見直し勉強指導がすべて無料
- 成績上位者は四谷大塚・準拠塾の入塾資格が得られることも
ということで、全国統一小学生テストはコスト重視の中学受験におすすめの無料テストです。
受験塾に成績を含めた個人情報を提供するデメリットはあるものの、塾に通わずにこれだけのサービスがあるのは全国統一小学生テストだけなので、低学年から継続して受ける価値はあるでしょう。
全国統一小学生テストの中学受験生の位置付け
ただし、全国統一小学生テストはあくまでも外部向けの公開テストなので中学受験生にはあまり重要ではないようです。
理由は下記の通りです。
- 中学受験生は、すでに塾の模試を受けている。
- 中学入試問題は、マークシート形式ではない。
- 四谷大塚主催なので中学受験範囲を含めた応用レベルではあるが、中学受験対策とは必ずしも合致しない。
- 統計上の母数は多いが、学年が上がるほど中受生の割合が少なくなるので偏差値が高めに出がち。
なので、中学受験を見据えた低学年が入塾前に継続して受けたとしても、中学年以降通塾を始めるとあまり受けなくなってくるようです。
知り合いの中学受験生のママはこんな感じ。
・小1から毎回受けてる。
・「自分のiPadがもらえるよ~」と最初は 成績優秀者褒賞のiPad 目当てで頑張らせた。
・一緒に幼児教室に通ってたお友達の家には、iPadが部屋に何個も転がっていた。
(毎回決勝大会に進んでいる)
したがって、全国統一小学生テストの有効な活用法としては、
という目的で使うなら、受ける意味は十分あります。
ちなみに、全国統一小学生テストの成績表には、
- 全国順位
- 都道府県別順位
- 偏差値
- 領域別成績
- 講評
- 解答解説
- テスト結果分析
の7項目に加え、小6では志望校判定もできます。
普段通塾していない子も、全統小受験を機に塾に通いたいというモチベーションになったり、成績上位で特待生のお声がかかったりと、お子さん・塾両方にメリットがあるテストだと言えるでしょう。
「全国統一小学生テスト」塾なし小学生の受験対策
ここからは、通塾していない小学生向けの全国統一小学生テスト受験対策をご紹介します。
全国統一小学生テストの出題範囲は、学校で習う範囲を超えた問題も含まれます。
なので、成績上位を狙うなら事前対策が必須です。
成績上位層を狙わなくても、対策なしで受けてお子さんがショックを受けるようなこともできれば避けたいですよね。
公式サイトによると、小1~小6までは各学年2学期までの教科書の内容(基礎問題)+応用問題が出題されます。
基礎問題が全問正解なら平均点になるように設計されているそうです。
学校のテストと異なるのは、
【出題範囲が広いこと】
これは、中学入試と同じなので慣れておく必要があります。
各学年の試験科目は下記のとおりです。
- 年長:算数国語融合型問題
- 小1~小3:算数・国語
- 小4~小6:算数・国語・理科・社会
※小3からはマークシート形式
※小4~小6は3科目もしくは2科目の受験も可能
以上を踏まえると、塾なし全国統一小学生テスト事前対策は次の3ステップが望ましいでしょう。
この3ステップは、中学受験勉強にもそのまま使えます。
次の項目からは、具体的なステップを解説していきます。
①応用問題を含む問題集を解く
現在、全国統一小学生テストに特化した問題集はありません。
朗報です!
2023年現在、通信教育で全統小の対策ができるようになりました!
小3~小6の演習充実講座に限りますが、四谷大塚の先生から直接オンライン授業が受けられます。
関連 東進オンライン小学部は低料金で四谷大塚の授業&全統小対策ができる!
家庭学習で全統小の対策をしている親御さんは、四谷大塚やサピックスが作成した問題集をおすすめされている方が多かったです。
繰り返しになりますが、全国統一小学生テストの出題内容は、
小1~小6までは各学年2学期までの教科書の内容+応用問題
なので、6月は前学年の復習に力を入れ(出題範囲は1学期までなので)、11月は次学年の予習に力を入れるといった使い分けが望ましいです。
以下で家庭学習におすすめの問題集をご紹介していきます。
ポイントは、最初に親が全国統一小学生テストの出題パターンを頭に入れつつ、類似問題演習をスモールステップで重ねていくこと。
以下の教材は、基礎問題から発展問題までが収録されています。
問題集専用ノートを買って、解けるまで何巡もしていきましょう。
四谷大塚の教材
2010年の教材なので、いまのような華やかなビジュアルではありませんが、基礎問題から応用問題まで網羅されているので、基礎固めに最適です。
はなまるリトル 1ねんせい さんすう
はなまるリトル 1ねんせい こくご
はなまるリトル 2年生 算数
はなまるリトル 2年生 国語
はなまるリトル 3年生 算数
はなまるリトル 3年生 国語
『はなまるリトル』以外におすすめの問題集
きらめき算数脳シリーズ(サピックスブックス)
最上位クラスの小学生が集まるサピックスが作った問題集ですが、親しみやすいキャラクターが謎解きをしながら案内するので、楽しく算数脳を鍛えられます。
天才脳シリーズ(増進堂・受験研究社)
問題文で問われていることを頭のなかでイメージする能力のベースとなる空間把握能力を、積み木・転写・点描写・折り紙・さいころなどから養います。
問題を見てみると、大人でも難しいです!
子どものころに受けた知能テストを思い出します。
トップクラス問題集シリーズ(文理)
中学受験を目指す小1~小4のための問題集です。
中学入試レベルの学力を目標に、標準クラス(教科書レベル)⇒ ハイクラス⇒ トップクラスまで、実際の中学入試の研究しパターン化した問題を難度順に解くことができます。
解き方や考え方を理解しやすい別冊の解説と「総しあげテスト」があり、「総しあげテスト」を解いたあとは出版社サイトで「学力診断」ができるので、ぜひ全統小前の力試しをしてみてください。
2年生以上の問題集はこちら。
知育系のアカウントを見ていると、皆さん当たり前のように年長・低学年から『はなまるリトル』を解いています。
『はなまるリトル』はたくさんあるルーティンの1つで、公文・習い事・通信教育と同時進行で1日2~3Pずつ解いていくといった感じでした。
②四谷大塚公式サイトの過去問を解く
試験前には過去問を解くことも重要です。
なぜなら、過去問を解くことで全国統一小学生テストの問題傾向(出題パターン)と現在の学力を知り、時間内に解く練習ができるからです。
現在、全国統一小学生テスト専用のアカウントを取得すると、全国統一小学生テストの国語以外の過去問が閲覧できます。
全国統一小学生テストは6月と11月に実施されており、それぞれ出題範囲が異なります。
受験する回の過去問を解くようにしましょう。
また、メルカリやヤフオクなどのフリマサイトにも出品されていますが、欲しい過去問が必ず手に入るとは限りませんのでご注意ください。
3年生からはマークシート形式になりますが、試験会場でも練習の時間を設けているのでそこまで対策しなくても大丈夫でしょう。
③対策授業を受ける
全国統一小学生テストを申し込む際に、対策授業が受けられる受験会場(塾)があります。
事前に対策授業を受けたい方は、実施する塾を選ぶようにしましょう。
対策授業の内容は、算数と国語の授業120分程度です。
記事を作成する際に参考にしたサイトは、https://www.yotsuyaotsuka.com/です。
(参考:四谷大塚 https://www.yotsuyaotsuka.com/ 2021年11月26日)
まとめ:年2回の無料学力診断を有効活用する
今回は、全国統一小学生テストの中学受験における位置付けと、塾なし対策法をご紹介しました。
ぜひ、参考にしてみてくださいね。
最新情報は公式サイトにてご確認ください。