中学受験マンガ『二月の勝者』を11巻まで読んだ感想・レビュー

中受の情報収集
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※最終更新:2021年5月7日。

今回は、中学受験をテーマにしたマンガ『二月の勝者-絶対合格の教室-』(以下『二月の勝者』)を11集まで読んだ感想・レビューをまとめました。

『二月の勝者』巻末の参考文献はなんと約30冊!!

作中に出てくる中学受験に関するデータは、執筆当時の綿密な取材・リサーチがうかがえ、エンタメとしてはもちろん、東京都内の中学受験事情が一気に分かる実用書になっています。

おすすめの人
  • 中学受験をする予定・検討中の親子
  • 身近に中学受験する親子がいて理解したい人
  • 中学受験経験者

以下で、マンガのネタバレは極力避けつつ、個人的な感想を述べていきたいと思います。

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『二月の勝者』子育て中の親に役立つポイント

筆者は、中学受験経験者です。

自身の中学受験から30年近い年月が経っているというのに、作中のエピソードはあるあるの連続で、親と子、どちらの側からも共感する場面がたくさんありました。

普通に泣けます…。

以下で、『二月の勝者』がどんな作品で、子育て中の親にどう役立つのかを挙げていきたいと思います。

『二月の勝者』はフラットな目線で描かれている

『二月の勝者』は、東京・吉祥寺の中堅受験塾「桜花ゼミナール」が舞台です。

  1. 中学受験塾に就職したものの、内情が分からない体育会系の新人講師・佐倉
  2. 桜花ゼミナールに通う小学6年生(学力はさまざま)
  3. その親

の3つの目線でフラットに描かれています。

塾や私立中高一貫校の宣伝ではないので、「ここまで言っちゃう??」という衝撃的なセリフに驚きました…!

中学受験をする親御さんは一般的に、

塾の情報 > 中学受験関連書籍 ≒ 中学受験ブログ・ママ友の口コミ

といった順番で情報収集をされているので、どうしても塾寄りの情報に偏りがちなんですね。

正確に言うと、塾側の集客・課金を目的とした営業トークが正しいと思いがちなので、『二月の勝者』を読むと、それを鵜呑みにしてはいけないことが分かります。

そもそも塾って「教育機関」ではなく、営利目的の「サービス業」なんですよね。

中学受験生の気持ちが分かる

中学受験生の親御さんは、合格体験記などを読むことがあると思いますが、第1志望に合格したのははあくまで結果論にすぎません。

実際に、どんなギリギリの思いをして受験を乗り切ったかは、後からきれいにまとめられた体験記ではなかなか分からないものです。

『二月の勝者』では、さまざまなパターンの子どものリアルな姿が描かれています。

そもそも中学受験のスタートラインに立てる子は、基本的に親思いで頑張り屋さん。

健気に頑張る姿に思わず涙することも多かったです。

特に男の子なんてまだまだ子どもなんですよ~。

あとから急成長するのもまた然りですが。

中学受験の総費用が分かる

筆者は以前、公立中高一貫校受検の塾費用を調べたことがありますが、どの塾も受験までにかかる総額費用が分かりにくかったです。

理由は、入塾前に総額何百万円もかかると知ったら、その時点で中学受験を諦めてしまう親が出てくるからだと思われます。

もちろん、学年ごと・科目ごと・特別講習ごとに細かく調べれば単価は出てくるので、自分で必要な数字を集計することはできるのですが…。

よ~~く探さないと該当の料金が出てこなかったり、資料請求や説明会参加など、ワンアクションを起こさないとすべての情報が分からないことが多かったです

『二月の勝者』は、私立中学受験にかかる総額と内訳を提示しています。

中学受験を考える親御さんには、非常に参考になるデータです。

6年生の生徒が、一年間に塾に落とす金額は平均150万円だそうです…。

もちろん、私学なので学費その他も高額ですよ~~。

中学受験の年間スケジュールが分かる

中学受験のスケジュールは、塾が過去のデータに基づいて学習カリキュラムを組んでいるので、入塾後はそれに乗っかっていけば良いのが基本です。

2月入試から逆算して効率的なカリキュラムを組んでいるはずですが、初めて中学受験に臨む親からするといまいち全体像が掴めないことがあります。

『二月の勝者』では、次の流れで物語が進みます。

『二月の勝者』の流れ
  • 1集:小5の2月・3月(新小6スタート)
  • 2集:小5の3月【春期講習】
  • 3集:3月~7月
  • 4集:7月 ~全カリキュラム終了~
  • 5集:7月~8月【夏期講習】~中学受験の天王山~
  • 6集:8月~9月
  • 7集:9月~10月【過去問演習スタート】
  • 8集:10月
  • 9集:10月
  • 10集:11月
  • 11集:11月【中学入試 直前期必勝マニュアルを元にスケジューリング】

11集時点で、志望校選択、過去問攻略まで来ました。

公立中高一貫校の情報もあるので、公立中高一貫校狙いの方も参考になります。

初めて中学受験をする方は、中学受験がどんなスケジュールで進むのかがつかめ、心づもりができるでしょう。

親のメンタルクライシスが分かる

中学受験は、親にとっても重要な選択の連続です。

  • そもそもなぜわが子を中学受験させるのか?
  • なぜ、地元の公立中学ではなく私立なのか?
  • 受験勉強の方法は?
  • 独学? 通信教育? オンライン? 通塾? 個別指導?
  • なぜその志望校を選んだのか?

最初は強い信念があっても、子どもと受験生活を送るうちに偏差値や周囲に振り回されて、軸がぶれることもしょっちゅう。

本当に子どものためになっているのか?

親のエゴや見栄でやらせていないか?

遊びの時間はもちろん、寝る時間までを削ってまでわが子に負荷をかけるべきなのか?

親(特に母親)の葛藤は尽きません。

『二月の勝者』は、さまざまなタイプの子どもとその親が出てくるので、まるで自分が受験生の親になったかのような錯覚に陥り、感情移入してしまいます。

『二月の勝者』を読んだ正直な感想

いろいろ書きましたが、元中受生として驚いたのは次の2点です。

  1. 中学受験生の勉強時間の長さ
  2. 入試パターンの多様化により、志望校の攻略パターンが複雑化していること

筆者はぶっちゃけ「塾に通ってるだけで満足していた中位~下位レベル」。

親も家庭学習のマネジメントはしていませんでした。

入試パターンもシンプルだったので、1月入試を1つ受けた程度。

午前入試・午後入試で別々の学校を受験するなんて無理!!

今は全然違いますね…!

子どもの数が少なくなったゆえに中学受験の早期化が進み、入試システムも複雑怪奇…。

時代は変わったな~と思いますが、中学受験を希望する親子の思いは根本的には変わっていないと感じました

それは次の2つ。

  1. 親は、子どものために最善を尽くし、志望校合格のためなら喜んでお金を落とすこと
    ⇒ そもそも経済的に余裕がないと中学受験には参戦できない。
  2. 子どもは、親のために正直きつくても無理して頑張ること

これらの思いが行き過ぎて、「教育虐待」を招くことも忘れてはいけませんね。

作中でも衝撃的なエピソードとして盛り込まれていますが、親としては決して目をつぶってはいけない問題だと感じました。

まとめ:読んだら一気に引き込まれる中学受験界

今回は、中学受験をテーマにしたマンガ『二月の勝者』を11巻まで一気読みした感想をまとめました。

中学受験をしない人にとってはまったく無関係の世界…と思いがちですが、そうでない方もぜひ読んでいただきたいです。

なぜなら、一般的に最終的なゴールは大学受験であり、誰もが苦労するこの大学受験をどう乗り切るかは、中学受験にかかっている面もあるからです。

ずっと学校の成績が優秀で素行も友達関係も問題なく、国公立1本で行けたら大変コスパが良いですが、だいたいのケースはそうはいきません。

なので、『二月の勝者』の黒木のように、大学受験までの指定席特急券を買うと考えて中学受験をさせることは、至極当たり前の考えなのです。

ただし、お金をかけた分だけ成績が良くなるとも言い切れないのが、教育の難しいところ…。

興味を持った方は、ぜひ一度読んでみてくださいね。

最後まで読みいただきありがとうございました。
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